本文へ


第3回WCAG勉強会@関西1日目に参加してきました。

  • 2010/06/14 20:20 JST

6月12日土曜日に行われたWCAG勉強会@関西に参加してきました。

今回は、第3回の1日目になります
参加者は、motchieさん、aratakojimaさん、cnktさん、nanto_viさんと私の5人でした。

第3回の1日目勉強会の内容は、福祉・保険・医療情報 - WAM NET(ワムネット)をリニューアルしその際、新JIS X 8341-3に対応させるという想定で、現状の問題点や修正すべき箇所を参加者1人ずつ発表していきました。

まずは、私から

  • テーブルレイアウトをやめて、文書構造とデザインを分けて構築した方が良い((X)HTMLとCSS)
  • トップページのヘッダサイトロゴ横の画像はテキスト化した方が良い(altテキストが「ワムネット」になっている)
  • トップページのPDFへのリンク部分に容量が明記されていない(下層ページでは明記されている)
  • リンクのアイコンはa要素の背景画像としてCSSで設定した方が良い
  • 「お問合せ」がフッタにしかないのでヘッタにも追加した方が良い
  • 医療のページの右カラムの「厚生労働省からのお知らせ」部分の文字が小さすぎる(%指定されているがデフォルトでこのサイズは小さすぎる)
  • 同じく医療のページの右カラムの「厚生労働省からのお知らせ」のリンクは別窓で開くように設定されているので、その旨明記する

補足:勉強会では発言出来なかったのですが 「トップページのヘッダサイトロゴ横の画像はテキスト化した方が良い」の大事な理由として音声読上げソフトでは 「ワムネット」という情報しか得られないからです。テキスト化しないならaltテキストを「ワムネットは独立行政法人福祉医療機構が運営している、福祉・保険・医療の総合情報サイトです。」 に修正する。

次に、nanto_viさんから

  • 見出しは見出しとしてマークアップする
  • 新しいウィンドウを開く事を明示する
  • ページごとにデザインが違うので統一した方が良い
  • トップページの検索scriptが使えるかどうか書き出されている
  • よくある質問のページのQ2-4-12のパスワードの変更方法を教えてください。の回答ページの画像のaltテキストが「コミュニティメインメニューの画面」となっており情報が抜けている

次は、cnktさんから

  • 色が多く文字も多いのでごちゃごちゃしている
  • 文字サイズが小さい
  • グローバルナビのaltテキストが長すぎる

その次はaratakojimaさんから

  • 数字の全角を何とかして欲しい

最後に、motchieさんから

  • トップページのピックアップの部分で色だけで情報を伝えている箇所があるので、情報を色だけで伝える事無くマークアップする
  • コントラストが足りない箇所が多い(トップページのヘッダサイトロゴ横の「ワムネットは独立行政法人福祉医療機構が運営している、福祉・保険・医療の総合情報サイトです。」の箇所等)
  • ペース色を決めた方が良い

参加者から出された意見1つずつ修正の必要があるか全員で確認し、要修正だと認識されました。

では、これからどういう風に作業を進めていくかという事についてmotchieさんから説明がありました。

  • JIS適応範囲をどうするか決める
  • 更新の仕方をお客様に聞いてそこで出来る範囲を考える(アクセシビリティの質を保つ為)
  • 等級はAでもきついのでAで良い(一部AAを含む)
  • 方針は公開する
  • チェック範囲をどうするか
  • どういう支援技術を対象にするか

という事を要件に明記し、それに従って実装していく。
その他にしなければいけない事は、

  • 新JIS X 8341-3の7.1.4.2 音声制御に関する達成基準、7.2.1.2 フォーカス移動に関する達成基準、7.2.2.2 一時停止,停止,非表示に関する達成基準、7.2.3.1 3回の閃光又は閾値以下に関する達成基準は絶対にクリアしなければいけない。
  • 支援技術でアクセス出来るように実装しなければならない
  • 支援技術をどうやって使っているかなど、調査し把握して決める。
  • オーサリングツールも決める。(こちらからの提案としてCMSを導入ください)
  • JIS対応させた後更新作業をされるのはお客様なので、アクセシビリテイの質を維持するために各部署の担当者の人たちと話し合い勉強会を開く。見直しや勉強会は定期的に行い、最低でも年一回は実行する。

という事でした。

休憩を挟み 次は試験方法(WCAG2.0にはない)についてmotchieさんの説明を中心に進められました。

ウェブページ一式を試験する場合チェック方法には3通りあり、千ページあれば、その中で任意のページをチェックする方法と全ページチェックする方法、そして入り口になるページ、サイトマップ、アクセシビリティについての解説ページ、お問合せページ、ヘルプページをチェックするという方法になります。 チェックして適合するという事になれば試験に通った事になり(ブログのコメントやトラックバックはわかる範囲でするかもしくは除外していると宣言する) この事をサイト上で明確にするなら、JISの自己適合宣言になるという事でした。
あと、行わなければいけない事としては、

  • どのUIに依存しているかみる
  • チェックリストを作成する
  • どのページをチェックしたか明示する
  • 依存している技術を明確にする(例:HTML4.0、CSS2.0)

という事でした。

後半は、色々質問させてもらったのですが 私の質問1つ1つに明確な説明をしていただき 最近、悩んでいた事や迷っていた事がクリアになり、自分が目指す方向にかかっていた霧がサッと消えてなくなった事を実感しました。
(その中の1つ、今日再度ご教授いただきました)
そして、いつか来るであろう夢という名の理想の現実ユビキタスをこの体で体感したいという気持ちが溢れ出ました。この気持ちが今後の私を支えてくれるでしょう。

この日は、体調がかなり悪く動画配信もされるという事で 会場まで行くかどうか迷ったのですが、少人数だったという事もあり、がっつり勉強させてもらう事が出来、行ってよかったと痛感しました。

最後に、この日一番頭と心に残った事は「テキストが欲しいのではなく、欲しいのは情報」というmotchieさんの言葉でした。