本文へ


様々な連携から生まれる夢の実現

  • 2009/02/22 23:01 JST

私にとって非常に魅力的なフォーラムが開催されたので、昨日行って来ました。

Geeklogのセミナーと日時がかぶっていたので、どっちに行こうか
かなり迷ったのですが、以前TVで拝見した大阪芸術大学の教授 牧氏の話と「自分の声ソフト」の研究開発についての話を
どうしても聞きたくて こちらのフォーラムに参加してきました。

今回のフォーラムは、3部構成になっており、第一部の基調講演が大阪芸術大学 教授 牧氏
テーマ「夢を実現へ!~自分の声で話せる喜び~」でした。

牧教授は、喉頭ガンで平成19年の秋に声帯切除の手術をされ声を失われました。
ですが、平成20年4月から沖電気株式会社開発の「自分の声ソフト」を使い教壇に復帰され、半期授業を完遂されました。

予め入力しておいた原稿を「自分の声ソフト」に読ませるというかたちで講演されたのですが、
牧教授御自身がお話されているような感じで
機械が合成音を読上げているとは思えないほど自然でした。

お話の中で特に印象に残っているのは「このソフトじゃなかったら大学への復帰はなかった。」とおっしゃってた事です。
「自分の声ソフト」との出会いとその出会いがもたらした多くのかたとの出会い、そして牧教授御自身のたゆまぬ努力が
生きる意味つまり実在感(自分がここにいるという実感)を生み出したのだと思いました。

第2部が沖電気工業株式会社 研究開発センター 研究員 岩木氏 「自分の声ソフトの研究に携わって」という事で
これまで難しいとされていた、より自然な、より個性的な、音声合成技術が用途によって実用化されつつあり、
人間の話し方の「多様さ」を再現する技術開発をおこない、この技術を個人のかたに届けるための活動を行ってこられたという
お話を詳しく聞きました。

ソフトを必要とされるかたにご自宅などで、予め用意された文章を読んで頂き、その声を録音し、合成音声を創られるという事でした。
録音の作業には、6時間から7時間要されるそうです。
現在、「自分の声ソフト」は10名のかたに販売されています。
「自分の声ソフト」を創られる事において、最も重要なのは「自然な声、リラックスした状態での録音」だそうです。

第3部がパソコンボランティアのかたから、日頃の活動状況についての報告でした。

この報告で、また「生の声」を聞く事が出来ると、楽しみにしていました。
今回偶然にも活動報告されるかたが、以前私がお伺いした視覚障害者ITサロンの講師をされている先生と
Geeklogアクセシビリティ配慮型テーマWIproCSSの音声読上げチェックをしてもらった視覚障害者の友人だったので
私の期待通り、貴重なご意見を聞く事ができました。

講師をされている先生からは、

  1. 音声ソフトを利用しているかたは、マウスが使えないのでキーボード操作が出来ないと情報が得られない。
  2. ソフトを使える人と使えない人の間で情報格差が生まれているので、もっと簡単に操作出来るインターフェイスが出来ると良い。
  3. リンクを画像にしている場合は、必ずait属性を付ける。

というご意見を聞きました。

また 「自分の声ソフト」のようにスクリーンリーダーが自分の声や好きな声になったらより良いのに とも言われていました。
私も将来そんな風になればいいのにと共感しておりました。

そして、フォーラム終了後に視覚障害者の友人と話をし
ネットサーフィンをしていて何か困った事ないか聞いてみたところ
「とある自治体のサイトで自分の得たい情報にアクセス出来ないから
一度そのホームページを見て欲しい」と言われました。
友人は、「情報が得れない状態でも、それを何処の誰に言えばいいのかわからない」と嘆いていました。

この件は、私が調査し、ここで公開できる内容であれば、また記事にしたいと思ってます。

それから「ホームページリーダーは、もうバージョンアップされないからInternet Explorer7やvistaに対応出来ないけど
これからどうするの?」と聞いてみたところ
「今はまだホームページリーダーを使用していてInternet Explorer6にしている。いずれネットリーダーを使用する事になるだろうけれど
ネットリーダーを購入する余裕がない。出来ればスクリーンリーダーですべて読めるようになってくれると一番嬉しい」と言ってました。
ホームページリーダーは、もうバージョンアップされないので、音声読上げの確認の為に
私もネットリーダーを購入したいのですが、友人と同じく購入する金銭的余裕がありません。

最後に、支援機器の展示を見、実際どのようにして使用するのかを福祉用具センターのかたから
説明していただきました。


まずは、写真左のトラックボールの付いたマウスです。赤いボール状のところでカーソルの移動が出来るようになっています。
次に、写真右のピンク色のボタンが付いている物は、このボタンを押す事でカーソルを移動し選択出来るようになっています。


続いて、写真右の機器はジョイスティックマウスです。水色のボール状のところを動かすと、カーソルが動き、選択する時は、横にあるボタンを押して操作します。


こちらは、ユニバーサルデザインの機器でらくらくホンなど携帯の操作に慣れてらっしゃるかたが使用されるそうです。
購入方法は、ネット販売のみになります。


最後に、この機器は写真左のくねった形状の棒の先に触れてパソコンを操作するものになります。
ほっぺたで触れても操作できるそうです。
触れる事によって、カーソルを移動したり選択したり出来るようになってます。

こうした支援機器があり、どういう使い方をするのかを知る事は、アクセシブルなサイト作成に役立つのではないかと思いました。

また、こうした機会があれば参加したいと思います。